完全映画(トータル・スコープ)
映画の原作となったK・ディックの短編「追憶売ります」がパクリなのか??
若い頃の疑念が、「完全映画」を引っ張り出して読み返したら、再燃。
参考に、それぞれのあらすじを。
「完全映画(トータル・スコープ)」(安部公房):東洋映画会社は、多額の資金を集め、「完全映画(トータル・スコープ)」を開発した。略してトタスコ計画とは、観客が映画の内容を実体験できるシステムの開発計画。
怪獣ゾガバとして、東京を見物する「怪獣ゾガバの東京見物」、「ナポレオンの生涯」など、サンプルが作成された。しかし、怪獣ゾガバの東京見物を観覧した俳優は発狂、ナポレオンの生涯を観た客は肉体が消失。結局映画は失敗したが・・・?
「追憶売ります」・・・は読んだことがないので、「トータル・リコール」:西暦2084年。火星の夢にとりつかれた一人の技師が、夢による疑似体験を受けようとした事から何者かに命を狙われ始める。今の記憶が植え付けられた物である事を知った男は本当の自分を探すため火星へ飛び立つ……。 (yahoo!映画より引用)
読み返してみれば、違うお話なのは明々白々ながら、トータル・スコープを読んで、トータル・リコールの評判しか知らない人なら、どっちがパクリ??と思ってしまうんだと思う。
ちなみに安部氏の「トータル・スコープ」は1960年のSFマガジンに掲載、ディックの「追憶売ります」は、1966年頃、日本で翻訳されている模様。
by sitejm | 2008-07-22 22:31 | 読書も好きです(いろいろ)