【翻訳記事】においは記憶を強化する

 強いにおいは感情を呼び覚ます。
 また、そのにおいを吸い込んだときの背景が記憶される。
 フランスの科学者らがこのことを初めて証明した。

 さらに、においとともに記憶されると、強い香りから生じる感情より、もっと正確に記憶されるのだという。

 リヨン大学の研究チームは、ボランティアの力を借りて、研究室でこれと同じ現象を体験する実験を行った。

 彼らはこの現象に伴う生物学的なメカニズムを知ろうとしている。

 今のところ、彼らの研究成果を直接、医学的に使える用途はないが、研究者らはエピソード記憶、つまり個人を形成している重要な記憶は、急性アルツハイマー症や他の神経変性系の疾患の場合、変わってしまっていることに気付いた。

 記憶の貯蔵と復元のメカニズムの背景を詳しく知ることによって、こうした疾患を理解する一歩になるという。

 意味が、記憶にしっかり根付いていることは知られている。
 実際に、場所、時、顔は、音やイメージ、においを通じてよみがえる。

 この現象の背景にあるメカニズムはいまだ謎だ。

 研究者らはボランティアに研究室に4日連続で訪問するよう依頼した。
 彼らは最初の3日間はコンピューターの画面上で異なる画像を見せられる。
 
 この画像は3色の円が点在するものだ。

 ボランティアは画面を2,3分、検索する。
 マウスを円の一つの上に動かすと、独特のにおいが発生する。
 被験者らはこの研究の目的を知らされていない。

(↓実際に使用された画像の一部)
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 4日目には、研究者らはボランティアに実験の最初とは異なるにおいをかがせる。
 また、彼らに画像や円の位置を見て感じたことを正確に覚えておくように依頼する。

 このときかがされたにおいは、日常生活では経験しない特異なもので、被験者らはそれを説明することも複雑で難しいものだ。

 被験者らは3番目のにおいと記憶が一緒になっていることに気付く。
 さらに、においによって呼び起された感情は顕著なもので、記憶がはっきりしていた。

「我々はにおいに関するいくつかのことを知っている。
 たとえば、においは、画像や音と異なり、さらなる記憶を生み出すことはない、と。しかしその記憶は感情では豊かに、長く残っているものだ」

 つまり、こうした記憶は、幼い子供のころまでさかのぼることができる。
 一方、ほかの刺激では、記憶は青年期までしか戻れない。

「においに伴う記憶は、エピソードを持ち、記憶の中に深くうずもれている。これらの記憶は、言葉にしがたく、突然忠実によみがえり、時をさかのぼらせるのだ。一方、風景や音楽とともに残った記憶は、参照することができ、説明でき、そのせいでその記憶はゆがみうる。
 我々の研究結果では、感情はにおいによって記憶され、目いっぱい記憶を蓄えらせることが分かった」
と、アン・リズ セーヴ氏はいう。

 研究結果の詳細は「Frontiers in Behavioral Neuroscience」誌に掲載されている。(Radio-CANADAより翻訳)

>>5年くらい前、こういう本のことを書いてましたわ。「匂いの記憶
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by sitejm | 2014-08-28 20:59 | 科学