【読書】いい人になる方法

 ニック・ホーンビィの「ハイ・フィデリティ」を10年ぶりに読んでみたら面白かったので、こちらも読んで見ました。

d0051212_2203418.jpg こちらも10年前に一度読んでいるのですが、ストーリーって結構、忘れるものですね。

 「ハイ・フィデリティ」は、中古レコードショップを経営する活力のない35歳独男と、出世街道まっしぐらの弁護士女性の「別れ」と「やり直し」のお話。これを男の方がぐだぐだ語る。

 一方、「いい人に・・・」は、立場が逆転。

 医師でどこからどう見ても問題のない、むしろ立派な人である妻の立場から、三流の毒舌コラムニスト、しかも時々しか仕事をしない、みたいな夫を中心とした生活とその劇的変化を語る。

 語り手は医師だから論理的にも語れるし、ところどころ、女性特有の愚痴や忠告が入る。

 医師のケイティは浮気をし、突然、電話で夫のデイヴィドに離婚をもちかける。
 
 デイヴィッドは取り合わない。単に、喧嘩の耐えない夫婦にありがちなさらに相手に不満と攻撃の理由の一つを作っただけだった。

 しかし、腰痛を患ったデイヴィッドが、「グッドニュース」と名乗る男にパワー?をもらって突然変身。

 ものすごくいい人になるのだ。

 住宅地周辺のホームレスを、個々の空き部屋へ迎え入れてあげたらどうだろう、とパーティを開いて近所の住民を説得。

 夫婦で友達とのディナーを楽しんで、そこにいない誰かの悪口で会話を楽しもうものなら、そのことを批判する。

 娘のモリーはこんな父親に傾倒し始め、息子のトムはケイティ同様冷めていく。

 それでも家族はだんだん、良い方向に向かいつつあるのだけど・・・。

 最後はなんとも、わたしにはがっかりな感じだった。

 ハイ・フィディリティは、男がぐずぐず言いながら、それなりに喜劇だった。

 しかし、いい人になる方法は、悲劇だ。

 

 ・・・ただ、一つ楽しめたのは、男性の小説家(もしくは翻訳家)の作品であるのに、女性ものの見方が良く描かれているところかな。
 読みながら感心した。
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by sitejm | 2013-08-26 22:00 | 読書も好きです(いろいろ)