風立ちぬ
中学の頃には、ナウシカやラピュタ全盛期だった。
でも、映画館で観たことはなかったな。
わたしんち、貧乏だったのかも。
さて、風立ちぬ、ひと月前に予告編を観て以来、観たくて仕方ありませんでした。
昨晩も帰宅して、TVをつけたら風立ちぬの予告をしていたし、今朝の朝日新聞のオピニオンも宮崎駿さんだったし。
わたしの住んでいる田舎のシネコンも、結構、いっぱいになってましたよ。
普段は話題作の初日でも観客10数人とかなのに。
ときは大正時代。
今の日本を生きているヒトのほとんどが、もう、知らない時代ですね。
あんなに美しかったのかな。
その描く光景は、今の自分たちの生活が恥ずかしくなるほど豊かで美しかった。
人々の生活は貧しかったかもしれないけれど。
この物語は、同名の小説「風立ちぬ」を映画化したものではありませんでした。
堀辰雄の小説をいろいろ加工した感じ。
主人公の堀越二郎は、誠実を絵に描いたような人。
しかも、育ちも良いし、正義感に篤く、東大卒の優秀な航空技術者。
二郎さんは、美しい航空機を作る夢を少年時代から胸に抱き、優れた飛行機を作った人。
ただ、優秀な人がその夢を形にしても、背景は大震災、世界恐慌、戦争、そして婚約者の病、と非常に哀しい。
成功のストーリーはなく、その人生は地味だ。
宮崎駿さんが何を伝えたかったのか。
Il faut tenter de vivre?
観終わった直後、何の感想もなかったけれど、
数時間後の今、なんだかじわっと来た。
by sitejm | 2013-07-20 18:54 | たまには映画を