恐竜の血
始祖鳥は羽毛を得てから、あるいは得る前は温血動物だったのか?
温血動物はなぜ繁栄したのか?
米国の研究者らが発案したパレオサーモメーターによって、こうした問題の解決に近づけるかもしれない。
CALTECH(カリフォルニア技術研究所)で開発されたこの装置を使えば、死滅した脊椎動物の体温が推定できるのだそう。
この装置では、炭素13と酸素18の特定の同位体の比率を分析する。
これらの同位体の比率は、生物の体温によって、多少、変化することから、体温が推定できるのだという。
ロバート・イーグル研究員は、2種の同位体は高温の生物の体内では非常に少ないが、低温の生物の体内には多いという。
これによって、2種の同位体の集積率と体温との関連付けを明確にしたのだ。
研究員らは、この装置による測定結果は、1,2度の誤差を生じる程度の正確さだという。
「過去に絶滅した生物の肛門に体温計を差し込む必要もありませんし、それと同等に正確です」
と、CALTECHのジョン・アイラーは言う。
また、同研究所のロバート・イーグルによると、
「生物の体内のこれらの同位体の比率は、バイオアパタイトと呼ばれるミネラルの測定によって、把握できる。バイオアパタイトは、骨や歯のエナメル質や卵の殻を構成する物質だ。
このミネラルは、血液から供給され、骨や歯を作るが、この同位体の構成比率は、何百万年経ても変化しない」
この研究結果は、米国ナショナルアカデミーオブサイエンス年鑑(PNAS)で発表される。
by sitejm | 2010-05-30 11:36 | 科学