質問力
この本のところどころに、そういう意味のことが書かれている。
今年に入って、同じようなことを二度聞いた。
「いろいろな人と話せば、そのうちの誰かから、自分の経験していないことに関する知識を得られる」
1度目は職場の年配の方から、2度目は多分、テレビか本か、新聞で聞いたか読んだか。
なるほど。
でも、漫然と聞いているだけでは、本当に面白い、美味しいところは得られない。
質問力を磨けば、相手は、おのずからマグロの頬の身のような、最も旨いところを出してくれるのかもしれない。
作者はさまざまな好例を紹介している。
「谷川俊太郎の33の質問」:平凡な質問のようで、凡人にはとても思いつかない、核心を点く質問の好例
映画監督・周防正行氏のヤクルト・古田選手への質問:頭の良い優れた選手のことを十分理解していてこそ、できる質問の投げかけ
作家ダニエル・キイスと宇多田ヒカルの対談:クリエイティブなニューヨーカーならではのスタイリッシュな対談
などなど。
とりわけ面白かったのは、声優・徳川夢声と天才画家・岡本太郎の対談。
あんな太郎さんと一体、どうやってまともに会話するんだろう?と思うのだけど、徳川夢声の運びは最上級。対談を聞いている人に配慮する余裕は、芸術的。どこが芸術的かは、本の中に。
・・・でも、自分の質問力磨きより、素晴らしい質問者に感歎するだけで、ちょっと終わっちゃったかな。
by sitejm | 2009-09-27 17:33 | 読書も好きです(いろいろ)