かまぼこ

「もろた そりゃ結構や」

「何をもろた?」

「大の男がもろたと言うたら、たいがい決まっとるやろ」

「あ、カマボコか?」

「ネコやあれへんで。女房やがな」

 昭和6年、まだ日本が暗い時代、このネタで人々を笑わせたのは、エンタツ・アチャコであった。

 このネタから、昭和6年当時の貧しい時代にあっても、カマボコが庶民のものであり、かつ誰もが旨いと思う食べ物であったことが推測される。

 また、今の時代にこのネタを聞いても、ぷっと吹き出したくなるような感覚からしても、当時から70年以上経った今でも「カマボコの位置づけ」というのは余り変化がないように思われる。

 ところが、昨今、かまぼこ原料のスケソウダラなどのすり身が高騰し、かまぼこ業界では値上げを強いられているらしい。

 特に「笹かま」を名物とする仙台の大手かまぼこ店では、お歳暮シーズンに向けて、商品の価格改定を検討している。
 現在1枚200円(税抜き)の人気の笹かまを、250円程度、すなわち125%も値上げする方向なんだとか。


 ・・といわれても、自分などはカマボコは、正月のおせち料理の飾り程度に思っているためか、衝撃の度合いを感じかねる。

 カマボコじゃなくても、美味しいと思うものはいくらでもある。

 スーパーへ行っても、練り製品売り場よりお刺身売り場や干物売り場の方がエリアが広い。

 こんな時代なのに、なぜカマボコは廃れないのか?

 一体、いつの時代からカマボコは存在するのか?

 それに、なぜ「カマボコ」やねん?


 ・・・こうした個人的な疑問を解決するために調べたところ、カマボコの歴史は大層古かった。
 
 というのも、

「かつて神功皇后が三韓渡航(西暦200年)の途中、神戸生田の杜で鉾の先に魚肉をすりつぶしたものを塗り付けて焼いたものが最初である」

と伝えられているくらいで。
(日本史・世界史が大の苦手の自分には西暦200年といわれても、全然、ぴんと来ないんですが、 倭の国では卑弥呼が活躍しはじめたり、カラカラ帝がローマ帝国の全自由民にローマ市民権を与えたり、中国で三国時代が始まったり・・という時代なんですね。でも、神功皇后は実内しないっていうウワサもあるらしいですが。)

 神功皇后が鉾の先にすり潰した魚肉を塗りつけて焼いた形・・・
 
 
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 あ、これか。名前の由来は。

 「蒲の穂」→蒲の鉾→「蒲鉾」   


 このように西暦200年に初代カマボコが生まれて以来、最初に「蒲鉾」が書物に登場したのは平安時代の古文書「類聚雑要抄」だった(じゃあ、西暦200年の話は誰がどうやって・・という細かい話は無視ムシ)。

 「類聚雑要抄」によれば、永久三年(1115年)、関白右大臣の引越しの際の祝宴の膳に蒲鉾が出されたのだそう。

 今ではこの1115年にちなみ、11月15日を「かまぼこの日」と呼ぶようになったそう(以上および以下、「紀文」のHPより)。

 ただ、1115年のカマボコは、まだ「蒲鉾」の状態で、今で言う「チクワ」のようなものだったらしい。

 安土桃山時代になると、板にすり身をつけて蒸した今のカマボコに似たものが殿様に献上されたりするようになったのだとか。

 ちなみに、魚肉のすり身に卵白やすった山芋を加え、茹でたものが「はんぺい」で、こちらは室町時代頃から書物に現れ始めたそう。

 魚肉のすり身を揚げたのが、言うまでもなく「さつま揚げ」。
(四国の友人は、さつま揚げのことを「てんぷら」と呼んでましたっけ。いろんな地域で生まれているのね)

 d0051212_1146731.jpg そうこう調べているうちに、カマボコがとても尊い食べもののような気がしてきた。

 むしょうにカマボコが食べたくなった。
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by sitejm | 2005-07-30 11:47 | エセグルメ

My life without me

 「死ぬまでにしたい10のこと」
を観た。

d0051212_15214395.jpg ストーリーは、
「23歳のアンは、母親の家の裏庭にあるトレーラーハウスで失業中の夫と幼い2人の娘と暮らし、時間に追われる忙しい毎日を送っていた。だがある日、彼女は突然腹痛に襲われて病院に運ばれる。そして検査の結果、医師から余命2ヵ月の宣告を受ける。若さのせいでガンの進行が早く、すでに全身に転移してしまっていた。アンはこのことを誰にも打ち明けないと決意し、ノートに死ぬまでにしたいことを書き出していった。それはちょうど10項目になった。そしてその日から、彼女はその秘密のリストを一つずつ実行していくのだった…。 」(Yahoo!ムービーより

 前から気になっていた映画。

 日本では割と有名なので、さぞかし有名俳優が出ているのだろうと思ったら、知っていたのは、アルフレッド・モリナ(スパイダーマン2のドック・オク)だけだった。

 淡々と進行する映画で、激動するような感情を味わうことはない。

 ただ、2人の幼い娘のことを思う母親の気持ち、夫にすら病を打ち明けなかった妻としての決心、愚痴っぽい母親を本当は案じている娘の心遣い。

 女性だったら多分、いや、女性でなくても主人公と自分の心が交錯するだろう。

 そして、もうひとつ。

 女としての希望。

 まっすぐ、ただ善良に生きて来たのだったら、分かるまい。

 彼女が全うしたかったこと。

 服役中の彼女の父親(アルフレッド・モリナ)の言葉が自分には印象的だった。

「人が望むように生きられない人もいる」
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by sitejm | 2005-07-30 11:22 | たまには映画を

水菓子


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夏   


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伊勢 五十鈴茶屋にて


続きはこちらから→http://4travel.jp/traveler/9874/album/10003790/

夏らしい画像を一枚!
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by sitejm | 2005-07-28 22:19 | たまには旅を

スペースシャトルで行く宇宙! ISS指定 1泊1億円~  

 ランダムハウス講談社が、「宇宙の歩き方」を出版したそう。

 歩き方・・は、ご存知「地球の歩き方」をもじったもので、地球を超えた宇宙の旅をガイドブックにまとめたもの(ちなみに、「地球の歩き方」の発行所は「ダイヤモンド・ビッグ社」)。

 「・・歩き方」によれば、国際宇宙ステーション(ISS)への滞在は1人当たり約22億円かかるそうで、将来的に、宇宙ホテルへの宿泊は1泊約1億1,000万円となるという。

 実現の見込みは、というと、実際に米国の「スペースアドベンチャーズ社」という宇宙旅行代理店が存在し、2001年には米国の富豪デニス・チトー氏を、2002年にはマイク・シャトルワース氏(名前も宇宙っぽい)南アフリカの実業家をISSに旅立たせ、無事に帰還させている。

 各人とも、旅行費用は2,000万ドル程度=22億円かかったという。

 スペースアドベンチャーズ社は、2004年5月、次の宇宙ツアー客には著名な日本人を選出するとしており、選ばれた人は個人負担または、企業スポンサー負担により2005年か2006年に旅に出ることになるそう(企業スポンサー負担の場合は、広告料が入るので、もっと高くなるんだとか)。

 この旅行を可能にした交通機関?は「ロシア宇宙局」であり、過去の2人の宇宙旅行についても、ロシア宇宙局が協力している。

 この背景には、ロシア宇宙局の資金難がある。
 
 一方、NASAはロケットに素人の旅行者が加わることで乗員の安全が脅かされるのではないか、と懸念し、これらの計画に反対していた。

 米NASAのダン・ゴールディン局長(当時)は、

「宇宙は危険な場所だ。おもしろ半分に出掛けるわけにはいかないのだ」

とコメントしていたという。

 それに対し、当時、宇宙旅行の準備をしていた宇宙観光客のチトー氏は

「私は8ヵ月間訓練を続けてきた。準備は万全だと感じている。あとは宇宙に行って思う存分写真を撮るだけだ」

と十分に準備ができているとコメント。

 地球上にも危険な地域がいくらでもあり、そういう場所へふらっと出かけて痛い目に遭う旅行客も多いのに、しっかり訓練を受けた人が宇宙へ旅に出ることが反対されるべきことなのかどうか?

(ついでに、わたし的には、ほかに金の使い道もないような大金持ちの接待を誰がやったのか?というところが気になりますが。)

 ↓面白半分?にでかけてきた富豪のチトーさん 
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 ↓下の写真もチトーさん・・じゃなかった、なんとなく似ていますが日清食品が開発した宇宙食ラーメン。26日、宇宙に旅立たれた野口さんのお口のサイズに合わせてあるのだとか。
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by sitejm | 2005-07-27 22:48 | 科学

エスプリか?それとも子供のけ・・?

 滞納している固定資産税等を支払え!!

・・と、東京都庁が仏政府運営のフランス人学校に通知したのはつい先週のはなし。

 まだまだ子供喧嘩が続くのかなあ、とわくわく見ていたら、やっぱりありました。

 明治大学のフランス語専任教員の有志が26日、都庁を訪れ、教科書や辞書など「学習セット」をプレゼントしたのだとか。

 
「コツコツ勉強すれば、数は数えられるようになる。難しければ、われわれが個人教授いたします」


と、有志メンバー。

 果たして太陽族は、コツコツ勉強してくれるかどうか・・。

懲りない太陽族
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by sitejm | 2005-07-27 12:45 | 文化

電解酒

 静岡のベンチャー企業、イノベーティブ・デザイン&テクノロジーが、ワインの電解装置を開発したという。

 このワインの電解装置で、ワインを電解すれば、アルコール分子の水和性を高め、ワインの風味を向上させることができるそう。

 ここで、電解とは「電気分解」の略で、簡単に言えば(?)

「電解槽 (電解質溶液を入れた容器) に浸した2つの電極間に 電流を流すと, 電解質が陽イオン(カチオン) と陰イオン(アニオン) に分解し, 陰イオンがプラス電極に, 陽イオンがマイナス電極に 引き付けられて析出 する現象」(九州大学名誉教授 高田健次郎氏のサイトより)

である。

d0051212_8483574.jpg小中学校の理科の実験で、誰もが必ずやっているはずである。

 身近な例では、水の電解があり、水に電気エネルギーをかけ、水分子(H20)をH+(水素イオン)、OH-(水酸イオン)に分解した、といわれると、なんだか思い出すかもしれない。(←は、硫酸銅溶液の電気分解ですが)

 ワインの電解装置では、ワイン中の水分を電解し、OH基を作り出し、アルコール分子にくっつけて、水和性を高めたのでは、と勝手に推測する。

 本来、ワインは「アルコールの中に水が溶けている」ような「水の中にアルコールが溶けている」ような微妙な状態にある。

 大まかに言えば、「アルコール」と「水分」という2つの異種のものが粗く交じり合った状態である。

 それを、うまく交じり合った状態=アルコール分子の水和性が向上した状態にするのが「熟成」であり、これによって、まろやかな風味のワインが出来上がる。

 したがって、電解で熟成の代理ができるのは、おかしいことでも怪しいことでもない。

 ただ、イタリアでは、従来の製法の転換に抵抗があり、装置を導入ができなかったそう。

 一方、アメリカでは話がとんとん進み、米国の電解技術製品販売会社の社長らと共同出資し、来月中にも装置の営業販売を行う会社を現地に設立する予定なんだとか。

 日本も恐らく、アメリカの真似っこをするだろうから、そのうち、酒税法に

「電解酒:米、果実又は米、果実及び水を原料として発酵させたものを電気分解により発酵を進めたもの」

という酒類が追加されるかも。
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by sitejm | 2005-07-24 08:49 | 科学

懲りない太陽族

 フランス語学校関係者らが、石原都知事を「フランス語を馬鹿にした」カドで訴えたのはつい先日のこと。
 
d0051212_1321430.jpg これで太陽族もギャフンか!?

・・と思いきや、太陽族もだてに年取っていなかった。

 仏政府が東京都内で運営するフランス人学校の土地・建物について、東京都が、未納の固定資産税と都市計画税、過去5年分=約1億円を支払うよう、仏大使館に課税通知したのである。

 そもそも、仏大使館は、1976年に「リセ・フランコ・ジャポネ・ド・東京」を開校したが、学校法人化を進めることを条件に、固定資産税を東京都に納めていなかったらしい。

学校法人化と固定資産税免除の関係はといえば、地方税法第348条第2項により、

「固定資産税は、次に掲げる固定資産に対しては課することができない・・」

とされており、「次に掲げる固定資産」の一つとして、

「学校法人又は私立学校法第64条第4項の法人(以下本号において「学校法人等」という。)がその設置する学校において直接保育又は教育の用に供する固定資産・・」

がある。

 リセ・・は学校法人として開校していなかったが、

「学校法人化するので、免税してよ、シル・ヴ・プレ!」

 と、都にお願いしてきたのだった。

 その期間、30年余り。

 学校法人化の手続きは「私立学校法」に基づき、理事を一定数置いたり、所轄庁に必要事項を定めて法人化認可申請を受ける必要がある。

 また、当然、学校運営上必要な施設を、私立学校法第25条で言う「法律で定める基準」によりそろえる必要がある。

・・・んだけど、その基準を定める法律が、現在未制定なので、学校法人化の手続きはそれほど難しいものではないのではないか、という気がする。

 民間企業が学校法人を設立した例も多々ある。

ソニー学園、 中内学園(ダイエー)、 島津学園(島津製作所) 京都医療技術短期大学、トヨタ学園 、 東京工芸大学(コニカ)、 清真学園(住友金属)・・

 
 東京都のこの措置に対し、仏政府やその関係者は

「Les Miserable(ああ、無情)!」

と嘆いただろうか(それより、もっと強烈で新たな反撃を期待する)。
 
おフランスのお数学
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by sitejm | 2005-07-23 09:23 | 文化

宝くじが当たったら

 受託銀行の窓口へ行って当選金を受け取る。
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 ・・のが普通。

 ちなみに、「平成15年度宝くじ白書」(財団法人 日本宝くじ協会)
によれば、宝くじの高額当選者(1,000万円以上の当せん者1,495人)に調査したところ、
当選金の使途の主なものは

(1)貯蓄(2)借入金の返済(3)土地・住宅(4)車の購入(5)旅行。

だそうで。

 案外、健全なのね。

 ちなみに、寄付・社会貢献に充てた人も20人いらっしゃる。

 立派なことです。


 ついでに、宝くじ協会は、高額当選者の星座やイニシャル、年齢についても詳しく調査しているが、最も当たる確率の高い人はこんな人だそうで。

【男性】『60歳以上の会社員で、購入歴10年以上。星座は水瓶座で、イニシャルがT・Kさん』

【女性】『60歳以上の主婦で、購入歴10年以上。星座は水瓶座で、イニシャルはM・Kさん』。

  

宝くじが当たったらどうする?
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by sitejm | 2005-07-21 22:54 | 統計

ダイビングと事故

 先日、サイパンでダイビングをしていた観光客の日本人女性と、インストラクターの日本人女性が水死した。

d0051212_2210323.jpg 観光客の女性の方が水中でパニックに陥り、それを助けようとしたインストラクターが巻き込まれて死んだらしい。

 インストラクターでも水死するのだ!


 ちなみに、財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会の統計によれば、

日本人ダイバーの国内外の事故について、

「平成16年の事故者数は48人で、このうち16人が死亡・行方不明となっている」そう。

 内訳については、過去数年間の統計を見ても、必ずしも、技量の低い初心者ばかりが事故に遭っているわけではないらしい。

 経験年数10年くらいのダイバーの事故率も高い。

 経験年数の長いダイバーの死因は「不明」とされていることが多いが、初心者の死因や溺水の原因は「パニック」または「漂流」が多いようである。

 なぜ、水中でパニックになるのか?

①体調不良
②緊張
③スーツ等機材が合わない
④日常生活で極度のストレスを受けた後・・

など、さまざまな原因があるという。

①などは、防げそうであるが、実際のところは、ダイビングに出かけるときは、遠出のため、

・早朝に家を出発、そうでなければ、泊まりで前日は酒盛り・・、

・社会人だと、その日に潜らないと当分休みを取れないため、体調が悪くても無理をする
 
というケースが多いのではないかと思う。

②については、自分も経験があるが、経験本数(タンク数)が少なかったり、ブランクが長かったり、海外で一人で潜る場合など、極度に緊張する。

③は、機材をレンタルする場合ももちろんのこと、買ったばかりのスーツが馴染んでいなくて、
普段どおりに沈降、あるいは浮上できない、ということがあるようだ。

 スーツが新しく、沈みにくいので10kgのウェイトをつけて(潜るときに、重りをつける場合がある)沈降したところ、今度は沈みすぎてパニックになって水死した例もある。

④これも①に準ずるが、仕事や人間関係で極度のストレスを受け、気分が優れないのに無理にダイビングを行った結果、呼吸や心拍が乱れ、水死する場合があるそうだ。

 このほか、丘ダイバー(ライセンスは10年前に取ったものの、タンク本数は20本未満・・)の自分も経験があるが、

・水中でレギュレーター(タンクから送られる空気の吸い口)が砂を噛み、空気がどばーーーっと放出され、口から外さざるを得なくなったり、

・ばちゃばちゃとビギナーばっかりで密集して潜っていると、誰かのフィンで顔をけられて思わずレギュレータを落っことしたり、

・一人だけ急に浮上したり、沈降したりしてしまう場合など、大変あせる。

 耳抜きがうまくできていないのに無理やり潜ったら、上陸した後、数時間も鼻から水が流れ続けたり、片耳が半年くらい聞こえにくかったこともある。

 潜っている途中にインストラクターから緊急浮上を指示され、上がってみれば、ほかのグループで溺れた女性が死人のような顔で水上に引き上げられたのを見たこともある。

 こんなわけで、ダイビング初心者は、毎回、割と怖い目に遭う。

 それでもそんなことは忘れ、いつかもう一度、と決心するほど、水中の世界は魅惑的なのだ。

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by sitejm | 2005-07-21 22:04 | 統計

自分ギライ

 教育研究団体麻布台学校教育研究所が実施した小中学生の意識調査で、半数以上の中学生が「自分が好きではない」と回答していたらしい。

 思えば10数年前、自分もそんなことがあったっけ。

 テレビや漫画で見かける理想的な女の子と自分を比べれば、いやなところだらけ。

 ほんとはあんなふうに、こんなふうに言ってみたい、してみたいのに・・・

 テレビでは、いとも簡単に普通の子が理想的な行動を取っている(ように見える)。

 ところが、そんな簡単なことが、自分にはできない。

 だから、「自分がキライ」。

 なので、思春期の彼らが「自分ギライ」なのは、今に始まったことではないように思う。


 他の観点から考える。

 市場や組織の心理を産業界に活用する「産業心理学」では、労働のモティベーションにアプローチするための「公正理論」というのがある。

 モティベーションを高めたり、維持するために、利益を平等に分配するのがいいのか、公正なルールに基づいて分配するのがいいのか、を考える理論である。

 公正理論にもいろいろあるが、中でも「均衡理論」(Adams,J.S.1965)では、自分の貢献と結果を、集団のほかのメンバーと比較しながら、満足感を得たり、不満を解消したりする。

 このとき、不満、つまり不平等があったときに、衡平さを回復するために、人々は「解消行動」をとる。

 AがBより頑張ったのに、Bより給料が低かったりすると、Aは
・仕事の手を抜くようになったり
・Bの邪魔をしたり
あるいは、

「この会社が悪いのだ」と考えたりして、不満を解消しようとする。

 中学生の「自分ギライ」は、これにも似ているのかもしれない。

 自分は一生懸命やったつもりなのに、誰も認めてくれない

 先生が悪いのか?→いや、そうでもない。あのセンセはそれなりにいいやつだ。

 きっと、「この自分が悪いのだ=キライ」と考える。

 あるいは、C子も自分と同じようにふらふら遊んでいるのに、彼女はなぜか、贔屓される

 C子は自分より美人か?→そうではない。同じである。
 C子は自分より成績がいいか?→そうではない。同じである。
 C子は自分よりいい子か?→そうではない・・・

 このように比較の対象は自分と同じレベルである(と、少なくとも思っている)。

 先生が悪いのか?→いや、そうでもない。あのセンセはそれなりにいいやつだ。

となると、やっぱり「この自分が悪いのだ=キライ」となる。

 ここで、「先生が悪いのだ」と考える人は、先生に対して反抗する、暴力を振るうなどの態度に出るのかもしれないし、「C子が悪い」と思う人は、C子をいじめたり、傷つけたりするのかもしれない。

 今の若い人は、優秀でなかったとすれば、余りにも平民過ぎ(皆が同じレベルにありすぎる)て、「あの人は特別だ」と逃げの比較のしようもない。

 おまけに、それなりに物分りもよく、先生を悪者にしたりしないので、結局、自分を悪者にして、自分を嫌いになるほかないのではないか。(ちょっと違うかな?)

 でなければ、人にその「キライ」を向けて、ほんとにキレてしまうほかないのかも。
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by sitejm | 2005-07-18 23:28 | 心理学