記憶の再固定化

 McGill大学の研究によって、ヒトの記憶に関する理解は急速に深まった。

 Karim Nader 教授の研究チームは、記憶の再固定化という過程を発見した。

 この過程は、脳が記憶を呼び起こし、さらに古い記憶を保護し、平準化する手順を規則正しく行わせるものだという。

 たとえば、Nader教授の研究では、強い恐怖の記憶は記憶の再固定化を最初は経ない。しかし、1ヶ月もすると、こうした記憶も再固定化されるのだという。

 さらに研究者らは、脳のメカニズムが記憶の再固定化を行うかどうかを決定することも発見している。

 今日まで知られている理論では、記憶が一度脳に植えつけられれば、永久に消えることはないとされていた。
 しかし、今回の発見では、記憶が呼び起こされるというよりは、脳に植えつけられないこともあるということが示されたのだ。

 記憶はもう一度再現され、保管される、つまり、再固定化を経験しなければ記憶されないのである。
 この新しい考え方は、以前、Nader教授が行った実験に拠る。この実験で教授は、恐怖を感じたマウスの記憶を化学的に消し去ることが可能であることを証明している。

 このように、記憶は呼び起こすことが可能で、平準化されており、または均一であることになる。

 Nader教授の発見は、記憶に関する神経系統のこれまでの基礎的な知識に波紋を生じさせている。
 
 この研究結果は、トラウマによる心身症の治療法は、記憶の再固定化をベースとして構成されているため、恐怖を感じて間もない患者には適用すべきでないことを示している。
 なぜなら、強烈な記憶は、長期間、つまり数ヶ月後になっても再固定化されない場合があるからだ。

 研究結果の詳細は「神経科学誌」に掲載されている。
 先週は、McGill大学の他の研究者が、長期間に及ぶ記憶におけるタンパク質の合成に関するメカニズムを紹介している。(Radio-CANADAより)
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by sitejm | 2009-06-28 22:50 | 心理学