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温暖化が温暖化を加速する

 科学者たちは、カナダ北部の氷河の崩壊に注目している。

温暖化が温暖化を加速する_d0051212_16285482.jpg 北極でカナダ軍の探検に同行した研究者は、氷床部に広大に広がるひび割れや、16km以上に渡る氷の層の崩壊に気づいた。

 専門家によれば、氷河で見られたひび割れから、氷河から巨大な氷塊が流氷となって剥がれ落ちているのが分かる、という。
 そして、これらは地球温暖化の指標となるという。

「我々は、氷の消失するスピードと、氷河の溶解において、劇的な変化を観察しています。
 昨年は、その前年より、氷河の氷は23%も減少していました」
 オタワ大学のルーク・コップランド博士は、BBCのインタビューに対し、このように答えている。
 
「私は、今回、この新たなひび割れを発見して、驚きました。このことから、氷の層が崩壊していることや、氷塊が発生していることがわかります。こうした氷塊はすぐにでも流氷となって動き始めるでしょう」
 トレント大学の共同研究者Derek Muellerが付け加えている。温暖化が温暖化を加速する_d0051212_1629981.jpg
 

 北極の氷が非常に早い速度で解けはじめているのは、環境問題であるが、同時に、北半球諸国の戦略的にも関連する。

 現在、崩壊した氷が、北極での船の移動を妨げているが、氷が解けていくと、大西洋と太平洋が北極でつながり、 新たな航路ができることになる。

温暖化が温暖化を加速する_d0051212_16292093.jpg 合衆国や、ロシア、カナダなど多くの国がこの地域の統治権を主張している。
 科学者を伴ったカナダの軍による北極の調査は、実際は、統治権のための調査であった。

 一方、一部の英国の研究者は、近年の大気中のメタンガス濃度の上昇は、生物によるものであると考えている。このガスの濃度はここ10年間、安定していたが、昨年度から上昇し始めたのだと言う。
 
 NOAA(国立海洋大気圏局)は、大気中のメタンガス濃度が0.5%増加したことに注目している。

 英国のある研究者は2007年にスカンジナビア半島の北欧地帯で、メタン濃度の平均値と最高値を計測している。
 ペルグリソルでの雪解けと北極地帯の土壌により、この温室効果の高いメタンが発生したのだという。

 メタンはCO2の25倍もの温室効果がある。

 メタンは土壌中のバクテリアによる分解作用によって発生する。
 北極地帯の土壌は何世紀も前から氷結していたが、地面が溶け始めると、土壌中に閉じ込められていた気体が大気中に放出される。

 この科学者の仮説が成立するとすれば、北極の途上は莫大なメタンガスを大気中に放出することになり、さらに地球温暖化が悪化することになる。

「ガスの放出は、凍った土壌の溶解によるものに間違いありません。北部地域では、気候が温暖になり、微生物がメタンを発生させています。土壌が凍る速度より、メタン発生の速度はさらに速いのです」
 地球システム研究所のEd Dlugokenckyは、BBCに対してこのように解説している。
 
 Dlugokencky博士は、2006年と2007年に北極で非常に重大な氷の溶解が観察されたとし、このため、海洋水からメタンが発生したのだという。(Radio-CANADAより)

>>もう、地球はおしまいですがな。

by sitejm | 2008-05-24 15:43 | エコロジー