【読書】白い犬とワルツを
穏やかな物語。主人公は八十過ぎのおじいさん。
何が面白いのかわかりませんでした。
あれから10年たって、開いてみたら、身につまされる・・・。
自分の親も歳を取ってきて、幸い、両親ともに健在だけど、何があってもおかしくない年齢。
何歳だって、何があってもおかしくないといえば、そうだけれど、体の無理が利かなくなる分、そういう確率が高くなりますよね。
主人公のサムは妻に先立たれますが、本来、きっと重い悲しみも、そっと描写されています。
サムは歩行器を使わなければならないほど、足が悪いのですが、あまり悲観的な印象は受けません。
なんていうんだろう。
昔の男の人らしく、不平不満があまり出ない感じ。
娘、息子らが彼を心配しているのに、逆に彼らを心配する始末。
娘らの、いちいちキリキリ心配する様が、自分や姉も、両親に何かあったらこうなるんだろう、と連想させるのです。
自分は最近、北欧ミステリーや翻訳ものの二流サスペンスを読んでいたので、それらと比べれば、本当に何にも起こりません。この物語は。
でも、多くの人が経験する両親への心配やその死、そういう経験を体感しました。
それだけでなく、ワテクシが強く感じたのは、忍び寄る老い(笑)。
主人公の半分の年齢だけど、こういう風に、何かを忘れたり、何かが分からなくなったり、何かが見えてしまったり、いずれ、するのだろうか・・・と。
決して、老いは、忍び寄るつもりはないのかも。
ひょっとすると、
「ちーーっす」
と爽やかに近づいてくるだけかもしれません。
そういう意味でも体感させられましたわ。
by sitejm | 2014-05-01 22:12 | 読書も好きです(いろいろ)