【映画】永遠のゼロ

 邦画を劇場に観に行くことは、本当は少ないのです。
 しかし、今年度は「風立ちぬ」も見たし、2本も観ました。
 昔は「話題になってる」と言われても観なかった方ですが、年取ったのかなあ。。
 どーでもいいことですが。

 さて、映画はほぼ、原作に忠実に作られていると思います。
 「主人公の司法浪人のお姉さんの恋人」という立場の人が削られているだけです。
 
 就職浪人の主人公とフリーライターの姉が、本当の祖父の宮部久蔵についてインタビューしながら物語が進行するのですが、そのインタビューの対象となる戦争経験者たちを、橋爪功とか、平幹二郎など、名優たちが演じています。
 真の意味のカメオですね。
 それにしても、橋爪功の演技はうまいけど、入院患者という役柄なので、どうせならもっと痩せていてほしかったです(笑)。

 凄腕ゼロ戦操縦士の宮部に、なぜ岡田準一が選ばれたのだろう、と思っていました。
 しかし、NHKの大河ドラマを演じる時期といい、「宮部」も「官兵衛」も人の命を粗末にしなかった善き人である共通点と言い、番宣的にばっちりの選択肢なんですね。

 そして目力最強の岡田準一演じる祖父の娘=主人公の母親は風吹ジュン、孫=主人公を三浦春馬、姉を吹石一恵、と目力があるけど目が優しいタイプが選ばれているように思いました。
 気のせいかな?

 戦闘シーンも日本の映画にしてはCGも割りと良くできていたし(時々、ゼロ戦の姿が透けてましたけど)、そういう部分を視覚化してもらったと思えば、面白い映画でした。

 ただ、「凄腕」という言葉が乱発されていたように思います。
 観客としては、宮部久蔵が神的操縦士である姿をもっと観たかったのではないかなあ。
 でも予算的に難しかったのかな、と納得したり。
 ハリウッド映画だったら、「凄腕」を強調するような映画になるんでしょうね。
 でも、この物語は、それが主題ではないですしね。

 また、原作そのものは戦争経験者の語りを中心に進められます。
 そのせいか、「凄腕」乱発と同じように、語りで表現されているシーンが多いです。
 たとえば、やくざの親分が過去に行った善行が、映画ではわざとなのか、語りで済んでいます。
 だから、もしかすると映画だけを観て、小説を読んでいない人には、ワケがわからなかったのでは、と勝手に心配します。
 


 以下は、ストーリーに関する部分なので、これから映画を観る人はすっとばしてください。








 戦闘シーンで印象的だったのは、後にやくざの親分となる景浦が、小隊長の宮部に模擬空戦を乞い、しぶしぶ宮部が応じるシーン。
 宮部は、景浦を試すかのように、わざと照準に入りますが、次の瞬間、景浦は、宮部のゼロが消え、後方から宮部に照準を当てられていることに気づくのです。
 宮部は撃つ気は皆無で、景浦をたしなめるつもりだったのでしょう。
 しかし、このシーンでの岡田準一の目力がすごい!
 その気迫にぞっとしました。
 この作品を演じ、NHKの大河ドラマでも官兵衛を演じて、この人は俳優としての格と言うか、品格が一段と上がったように思います。
 「独眼竜正宗」を演じていた頃の渡辺健を彷彿とさせるようです。


 戦争の真実に話を戻しますと、印象的だったのは、三浦春馬演じる主人公がコンパに出かけて、仲間から特攻隊を軽んじられて、怒るシーン。仲間は楽しいコンパでそんな話を熱く語る主人公にドン引き。
 特攻隊の人たちの本当の気持ちも知らないで!という主人公の怒りにも共感するし、そんなことは知らない仲間が、コンパなのに何怒ってんの??的にドン引きする気持ちもなんとなく分かる。

 戦争で闘った人たちの本当の気持ちを映画で知りつつある自分と、戦争を知らず、特攻隊の話も偏ってしか知らなかった自分の姿をそこに観るようでした。

 そして、将来の日本や、それを支える家族たちのために闘った人々の命と引き換えに、何事も無かったかのように平和に街を歩いていく人々の姿を観て、主人公が泣き叫ぶシーン(三浦春馬も演技を頑張ってた感じ。)。
 その光景にもはっとします。
 自分は、余りにも今、生きていることを当たり前に感じすぎていた。
 そういう気持ちでしょうか。
 この時代に生まれたから、しょうがない、という気持ちもどこかにあります。

 今、この物語を知っておいて、本当によかった。
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by sitejm | 2014-01-13 08:59 | たまには映画を