聞く力vs相手に9割しゃべらせる質問術vs実際のところは・・
ビート・たけしなどの有名人のコメントがオビに掲載されていたりして。
阿川佐和子さんの文体は読みやすいし、インタビューのプロの経験談として、コツとして、面白く読めました。
有名人にインタビューした事例もイキイキと描写され、楽しいし、雑誌に掲載される談話とテレビでのインタビューの違いなど、素人には「へえ~」なお話もあって、エッセイ集のように読み終わりました。
しかしながら、「聞く力」を付けたい人に、本当にこの本が役立つのかな?と。
ひどい言い方をすれば、年取ったお嬢様のただの自慢話じゃね??と。
けなすつもりは全くなかったし、きっと阿川さんより年配の方(特におっさん)には、非常に楽しい有用な本だと思います。ベストセラーなんですから。
一方、相方から借りてなんとなく読んだ おちまさとさんの「相手に9割しゃべらせる質問術」。
これもおちさんの経験談中心です。
「コメント力」の感想にも似たようなことを書きましたが、テレビ番組のプロデューサーさんだから、一般に受ける返し方満載です。
カウンセラーの「傾聴」を一般人ができるようにアレンジして書かれたのが「相手に9割しゃべらせる質問術」というイメージ。
阿川さんの「聞く力」の方が圧倒的に明るい内容盛りだくさんなのに、読後感のこの違いはなんなのか??
ワテクシが思うに、阿川さんはインタビューのプロとして、いろんなコメントを引き出すためのテクニックを面白おかしく書いているのです。
70代以上のおっさんが、「阿川弘之のお嬢さんが何書いてるのかな~、ほっほう、なかなかいいこと書いているじゃないか」と微笑ましく思うような。
おちさんの方は、自分の経験から、相手の気持ちを考えた上で、まじめに質問の仕方を整理しているように感じられました。特に、20~30代の働く人々の先輩として。
ワテクシの感想なので、上記と全く違う感想を持つ方もいるだろうけれど。
余計なお話ですが、ワテクシ的には、真面目に人の話を聴くつもりならば、「プロカウンセラーの聞く技術」(東山紘久)をお勧めします。
プロカウンセラーが書いているからといって、専門書的ではなく、専門書に書かれているような技術を、カウンセラーも、カウンセラーじゃない人も、使えるように平易に書かれています。
過去に、人の話を聴かなかったばかりに、身を切るような辛い思いをしたときに手にした本です。
この本こそ、もっと早く読むべきでした。
by sitejm | 2013-04-17 20:58 | 読書も好きです(いろいろ)