糞の利用~モンゴルの燃料からコピ・ルアクまで!?~

(食事中の方は読まないでください。)

 東山動物園で、コアラのクソ、あら失礼糞で再生紙を作ったそう。

 東山動物園のメンバーはゾウの糞で再生紙を作ったこともある。

 コアラやゾウのほか、牛や馬のような草食動物の糞は、そのほとんどが彼らの食べる植物の繊維から成るので、乾燥させれば臭いもあまり強くなく、その繊維質から紙を作ることも可能であるという。

 一方、犬猫、ライオン、トラなどは、彼らの食う脂質やタンパク質を消化するため、様々な消化分泌系が発達している。その結果、彼らの糞は臭いが強いうえに、繊維質も少なく、草食動物の糞とは形質が異なっている。

 このことをよく理解しているのがモンゴルの人々である。

 モンゴルでは肉食動物たる犬の糞は、「バース」と呼び、これは人間の糞に対しても同じである。

 一方、牛、馬、羊などの草食動物の糞は「アルガル」と呼び、「バース」いわゆる「クソ」とは別物なのである。

 氷点下40℃の冬を越える彼らにとっては、牛糞、馬糞は燃料、羊糞はゲルの床下に敷き詰める温かい資材。

 よって、モンゴル人にとっての「アルガル」とは、日本人にとっての「毛布」や「暖房」のような、冬に恋しくなる言葉と同じ響きがあると思われる(牛糞、馬糞は、料理のときの燃料にもなるので、「ガスコンロ」みたいな響きもあるのかも)。

 草食動物の糞をうまく利用したのがモンゴル人ならば、肉食動物の臭いのきつい糞をうまく活用しているのはインドネシア人だ。

 インドネシアでは、猫の糞から高価なコーヒーを作り出す。
d0051212_22433957.jpg インドネシアのコーヒー農園では、野生の「インドネシア・パーム・シベット(写真・・ジャコウネコの一種)」がコーヒーの実を食べることがある。
 その際、消化されずに排泄されたコーヒー豆を選り分け、きれいに洗浄して希少なコーヒー「コピ・ルアク」として高額で取引するのだという。

 浅煎りすると、ジャコウネコの分泌物の効果で独特の香りがするそうだが、必ずしもよい香りや味がするというものではないらしい。
d0051212_22484447.jpg そのため、「コピ・ルアク」は1996年にイグノーベル賞(人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究などに与えられる)を受賞している。

(ちなみに、コピ・ルアクは500yen/100g~1,000yen/100g。目玉が飛び出るほど高いわけではない。)


 4つ足動物でなく、2本足動物の糞の利用例には、肥料、飼料としての鶏糞のほか、ウグイスの糞の洗顔料がある。

 ウグイスは梅の木についた毛虫を食べるが、鳥類の腸は大変短いので、毛虫の蛋白質、脂肪質を分解するためのウグイスの強力な酵素も糞内に大量に排出される。

 そのため、ウグイスの糞は、人の顔の汚れとなるタンパク質や脂質を分解するのにもってこいの洗浄剤となるのである。
 この効果を利用して、ウグイスの糞は江戸時代頃には、着物の染み抜きにも使われていたという。

d0051212_22535354.jpg ウグイス(スズメ目ウグイス科)の腸が短いのが特徴ならば、スズメの糞でも同じではないか、と考えがちである。注意すべきは、ウグイスは梅の木の毛虫を好物としており、この毛虫は梅の葉のみを食べているところである。スズメや他の小鳥は米などの穀物のほか、雑多な昆虫や小動物を食べるため、ウグイスとは糞を異にするのであろう。

 このように、再生紙や燃料、はたまた食料にもなる便利な「糞」であるが、もっとも馴染み深いのが「堆肥」としての利用である。

 江戸時代には、食べ物の良い大きな商家から出る人糞は良質の堆肥のもととして農家に引き取られていたという事実は、よく知られている。
 人糞の堆肥化はこの江戸期よりもっと古く、日本では平安時代には始まっていたのではないかといわれている。

 日本にこの技術を伝えたのが隣の中国である。

 中国では、なんと、殷時代(紀元前16世紀)頃から、人糞を肥料として使っていたのだそうだ。

 糞は今日を作る偉大な源であったのだ。

 ・・でも、これを見るとちょっとどうかな、と・・・↓
(高価なコーヒー、コピ・ルアクのパッケージの図柄を拡大したもの)

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by sitejm | 2005-08-22 22:38 | エコロジー