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相性

 今日はバレンタインデーである。

 しかしながら、そんなことよりも、バニュルスを試飲(2月3日)して以降、どうしても消えない疑問があった。

 なぜバニュルスはチョコに合うのか?
 厳密に言えば、なぜほかのワインとは合わないのか?
 ほかの酒ではだめなのか??

 チョコを肴に飲めるアルコールとしては、ラム、ブランデー、コワントロー、グランマニエ・・等が挙げられる。
 いずれも糖類(果実または糖蜜)を原料とした蒸留酒または混成酒である。
 独特の芳香があるが、熱を加えて変成されているため、フレッシュではない。
 
 一方、ビール、ワイン、日本酒などはどうだろうか。
 麦、あるいは米を食べながら、チョコを口に入れることを考えただけでもぞっとするように、
ビールや日本酒は、チョコと相性がよいとはとてもいえまい。

 ならば、葡萄という果実を使用したワインはどうか?
 ブランデーがチョコに合うのであれば、原料を同じくするワインは合うはずである。
 しかしながら、ワインは余りにも生鮮である。
 燻されて摩滅されて砂糖と煉られて成形されたチョコは、その甘い顔に不似合いなくらい、余りにも苦労を重ねすぎていて、
穏やかに寝ながら成長するワインとは合わないのだ。
 
 一方、バニュルスは、発酵途中にブランデーを加え、発酵を止めてしまう。
 そのため、赤ワインでも、普通の赤ワインのような青みのある赤色ではなく、ブランデーの琥珀色に近いルビー色をし、
香りは黒糖やシナモンのような混じりけのある甘苦さを漂わせる。

 多少の傷を負ってでも、なお甘さを失わないバニュルスだからこそ、
不幸な運命を砂糖で包み隠し、なお人々を楽しませるチョコレートと相性がいいのか。

by sitejm | 2005-02-14 23:55 | エセグルメ