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ロケットの行方

ロケットの行方_d0051212_23131588.jpg 国産ロケット「H2A」7号機の打ち上げが成功した。

 2年前に6号機の打ち上げが失敗したため、今回の成功により、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の信頼回復、さらには日本の衛星打ち上げビジネスへの参入も期待されている。

 ・・そりゃ、そうやけどね、貧しい一庶民としては気になるのがロケット開発とその打ち上げ費用。

 ロケットの開発には通常2,000億~3,000億円の費用がかけられている。

 さらに、これ以外に打ち上げ費用として100億~200億円が費やされる。

 国家予算が82兆円程度なので、それに比較すればロケット1台の開発・打ち上げ費用はその1%にも満たない。
 しかしながら、自分の住んでいる自治体の予算が約7,000億円であることを考えると、その1/3がすこんと飛んでいった、ということである。
 
 おまけに衛星を一つ打ち上げれば、いずれ不要になる衛星が発生することになる。

 不要な衛星やロケットは回収されているのか、というと、答えは否。

 回収しようと思えば回収用のロケットを開発し、打ち上げなければならず、それにはさらに数千億円の費用を費やすことになる。

 それくらいなら、要らんロケットは宇宙に放っておけ、ということになるらしい。

 これら宇宙への廃棄物が「スペース・デブリ」と呼ばれる、いわば宇宙のごみである。
 
 地上のごみは、しばしば有害物質を地中や水中に放出し、汚染してしまうことがあるが、
スペース・デブリにいたっては、平均速度数km/sec(ライフルから発射された弾丸速度が約1km/secだそうですから・・)で宇宙をうろうろしているため、衛星や宇宙飛行士にこれらが当たれば事故が発生することは間違いない。

 実際、1986年にフランスの衛星がスペースデブリの衝突により、一時的に機能しなくなっており、これが原因でスペース・デブリの存在が明らかになったのである。
 
 だから、宇宙開発なんかやめよう、と我々はいえるだろうか?

 気象情報は米国の古い衛星からいままで通りもらっていれば良い、といえるだろうか。

 先進各国から一足遅れた情報だけで、台風や大雨などの自然災害から日本国民や農作物を守れるのだろうか。
 
 そうだ、とは誰にもいえない。
 そうでない、ともいえない。
 我々は、自分の行うことを信じるのみである。

by sitejm | 2005-02-27 23:09 | 科学