鯨捕りよ、語れ!
映画「The COVE」はまだ観たことがありません。
しかし、歴史ある鯨やイルカ漁をフィクションを繋ぎ合わせてノンフィクションに見せかけた映画であるらしいことに憤りを感じ、思わず図書館で鯨関係の書籍5冊借り(←買わないとこがね・・・)。
そのうちの一冊が、ニコルさんのこの作品。
こんな本を書くくらいだから、もちろん、日本の捕鯨に対する反対者とは思わなかったけれど、元カナダの環境保護局の職員だったということに驚きました。
捕鯨船での漁師たちの研ぎ澄まされた銛打ちの様子から、酒を呑み、さまざまな部位の鯨肉を味わいながら漁師たちと談笑する様子、さらに、捕鯨について書くために、三人の子供と妻を置いて太地に移り住んだことなどが、生き生きと描かれています(時間設定が短期間でよく変わるのでついていくのもやや大変ですが)。
ただ、離婚していないのに新たな女性と出会ったことなど、いや、それは今だから書けるって言うもんでも・・・とこっちがたじろぐようなことも書かれていて、私小説のようにも楽しめましたわ。
話を鯨に戻すと、彼は太地の人たちを愛しているし、捕鯨を否定する人々にも反論をするけれど、海の哺乳類たちに、さっさと止めを刺さない残酷な殺し方に関しては、真っ向から反対していることがよ~く分かりました。
by sitejm | 2010-08-15 21:03 | 読書も好きです(いろいろ)